12~15歳の青少年に対する米ファイザー製新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)ワクチン(トジナメラン)接種は忍容性が良好で、16~25歳の被接種者よりも優れた免疫応答を示し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症予防効果が高いことが示された。米・Cincinnati Children's HospitalのRobert W Frenck Jr氏らが、12~15歳の2,260例を対象とした国際共同第Ⅲ相試験の結果をN Engl J Med2021年5月27日オンライン版)に発表した(関連記事「FDA、コロナワクチンBNT162b2の緊急使用許可を12歳以上に拡大」「モデルナワクチン、若年者にも有効」)。

各国で12歳以上に対象年齢引き下げ

 トジナメランは、SARS-CoV-2ワクチンの中で唯一、米国などで緊急使用許可の対象年齢が12歳以上に拡大された。日本でも5月31日に添付文書を改訂、12歳以上への接種が可能となった。

 高齢者へのワクチン接種が進む一方で、若年者のSARS-CoV-2感染割合が増加している。若年者を保護し集団免疫の獲得に寄与するために、安全で有効なワクチンが求められている。

 進行中の多国間評価者盲検プラセボ対照第Ⅲ相試験では、12~15歳の健康な参加者を、トジナメランまたはプラセボを21日間隔で2回接種する群に1:1でランダムに割り付けた。12~15歳におけるトジナメランの安全性、免疫原性(16~25歳に対する非劣性)および有効性(2回目接種後7日以降のCOVID-19発症予防)を評価した。

疼痛、倦怠感、頭痛、発熱が多い

 解析対象は、2020年10月15日~21年1月12日に、米国29施設で登録された12~15歳の2,260例(男性51%、白人86%、トジナメラン群1,131例、プラセボ群1,129例)。全体で1,308例(58%)を2回目の接種後2カ月以上追跡した。

 他の年齢層で見られたように、トジナメランは、主に一過性の軽度~中等度の副反応を示し、通常1~2日で消失した。

 接種後7日以内に報告された副反応は、注射部位疼痛(79~86%)、倦怠感(60~66%)、頭痛(55%~65%)が多かった。日常生活に支障を来す重度の疼痛は、トジナメラン群の1.5%にみられた。

 発熱(口腔体温38℃以上)の頻度は、トジナメランの1回目と2回目接種後にそれぞれ10%、20%。このうち14歳男児1例(0.1%)は1回目接種1日後に40℃超の発熱があり、2日後に解熱した。血栓や過敏性有害事象またはワクチン関連のアナフィラキシーは見られず、死亡例も報告されていない。

2回接種後の予防効果は75~100%

 同試験に参加した、SARS-CoV-2感染の既往がない16~25歳と比較した、12~15歳における2回目トジナメラン接種1カ月後のSARS-CoV-2 に対する50%中和抗体価の幾何平均比は1.76(95%CI 1.47~2.10)で、非劣性基準(両側95%CI下限0.67超)を満たし、12~15歳で抗体反応がより大きいことが示された。

 SARS-CoV-2感染の既往がない1,983例では、トジナメラン群の1,005例で2回目接種後7日以降に発症したCOVID-19症例はなかったが、プラセボ群では978例中16例が発症した。トジナメランの発症予防効果は100%(95%CI 75.3~100%)だった。12~15歳では重症のCOVID-19は見られなかった。

小児や妊婦でもワクチン接種を評価

 以上の結果から、Frenck Jr氏らは「12~15歳におけるトジナメランの2回接種は、良好な安全性プロファイルおよび若年成人よりも優れた免疫応答を示し、100%のCOVID-19発症予防効果が観察された」と結論。研究の限界として、「小児における長期的な安全性、有効性および抗体反応の持続期間に関するデータはまだ入手できない」と付け加えている。

 同氏らは「今回の解析で報告された12~15歳の青少年におけるトジナメランの安全性、有効性および免疫応答を考慮し、より低年齢の小児、妊婦など他の特定集団で同様のワクチン接種を評価する研究が進行中である」と述べている。

免疫原性評価の対象は、16~25歳が170例、12~15歳が190例。16~25歳の参加者は世界各国で登録したが、免疫原性評価の対象は12~15歳と同様に米国の登録者に限定した

(坂田真子)