金融庁は3日の有識者会議で、企業などが社会課題の解決に資金の使い道を限定して発行する債券「社会貢献債(ソーシャルボンド)」の指針案を公表した。新型コロナウイルスなどの感染症対策や防災といった幅広い分野を対象として例示。投資効果の開示も求めて分かりやすい仕組みにすることで、投資資金の拡大につなげる。
 指針案では、子育てや介護支援、地方創生、働き方改革、食生活の改善・未病対策も対象事業に定めた。成果を高めるため、対象者として高齢者や子ども、感染症で事業に影響を受けた中小企業や低所得者などを明記した。社会貢献債については、投資家から定義が不明確で分かりにくいなどの指摘が出ていた。
 社会貢献債を発行する企業には、事業の概要などに加え、実際にどのような効果があったかを具体的に投資家に開示するよう求めた。できる限り数字による説明を要請。外部機関による客観的な評価の活用も提言した。
 指針案は会議でおおむね了承された。委員からは「プロジェクト件数だけ書くなど形だけではなく、投資家に納得感のある事業であることを示すよう取り組む必要がある」との意見が出た。
 社会貢献債には、投資家の関心が高まっている。政府は海外の指針と整合性を取りながら、内外の資金を呼び込んで市場活性化を目指す。 (C)時事通信社