英国を皮切りに欧米など先進国で新型コロナウイルスのワクチン接種が本格化してから、今月で半年を迎える。普及が進むイスラエルや米国などでコロナ禍以前の生活が戻りつつある一方、供給不足に直面する国では依然として感染拡大が続き活動が制限されるなど、ワクチンをめぐる格差は広がっている。
 英オックスフォード大研究者らのデータベース「アワー・ワールド・イン・データ」の集計によると、2日時点で世界全体の接種回数は累計20億回を超えた。
 少なくとも1回の接種を受けた人の割合は、主な国別に、イスラエル(63%)、カナダ(58.97%)、英国(58.31%)、米国(50.45%)など。日本は8.69%で、経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国の中で最も低い。
 地域別では北米が37.62%、欧州は32.36%だが、アフリカは1.87%にとどまる。世界保健機関(WHO)は3日、アフリカ全体の感染者数が増加傾向にあるとして、接種が進んでいる国に対し、「ワクチンを供与し、アフリカの最も弱い人々が重症になるのを防いでほしい」(モエティWHOアフリカ地域事務局長)と呼び掛けた。
 当初抑え込みに成功していた台湾は、変異株の流行で5月中旬以降に感染が拡大した。しかし「中国の介入」(蔡英文総統)などでワクチン調達が難航し、接種率は2.36%と苦戦。外出自粛要請などの措置を余儀なくされた。同様に4月末から感染者が急増しているベトナムは1.11%で、ロイター通信によると、年内のワクチン提供でロシアと合意するなど確保に力を入れ始めた。
 世界最速ペースでワクチン投与が進むイスラエルでは新規感染者数の7日間平均が10人台となり、今月1日には入店時に必要だったワクチン接種証明の提示など多くの規制を解除した。米国でもワクチン接種が完了すれば日常生活の大半でマスク着用の必要がなくなり、5月の米韓首脳会談ではバイデン、文在寅両大統領がマスクなしで対面した。 (C)時事通信社