【ロンドン時事】先進7カ国(G7)財務相会議は、新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ世界経済の回復を後押しするため、積極的な財政政策の継続を確認した。ワクチン接種の進み方で各国の景気回復のスピードに差が生じ、新たなリスクに浮上。大規模な財政出動や金融緩和による市況の過熱や物価上昇も懸念されるが、政策転換による景気腰折れの回避を優先した。
 経済協力開発機構(OECD)は5月末の2021年経済成長率見通しで、世界全体を5.8%(3月予想は5.6%)に上方修正した。一方でコロナの感染状況で「回復力は不均一」と警告。G7でもワクチン接種が進む米国は6.9%(同6.5%)に引き上げたが、日本は2.6%(同2.7%)に下方修正した。
 回復力の差は、中国やインドなどの新興国を含む20カ国・地域(G20)や、低所得国ではさらに広がる。米国などが財政・金融政策の正常化を急げば、新興国や低所得国から投資マネーが流出し、経済が再び落ち込む恐れがある。
 一方、景気刺激策による市況の過熱やコロナ下での供給制限で、石油や建材、食料などの価格が高騰。さらに上昇すれば日本を含め回復が遅れている国々に深刻な打撃を与えかねない。野村総合研究所の木内登英氏は「皆で財政拡張するという局面は終わり、インフレ懸念にどう対処するかという局面に来ているのではないか」と指摘する。 (C)時事通信社