政府は一時帰国する海外在留邦人への新型コロナウイルスワクチン接種に向け、準備を本格化させる。居住先の国で承認されたワクチンの安全性などに不安を感じ、国内接種を望む声が多いためだ。会場は羽田、成田両空港と周辺施設を想定。無料で投与する。8月にも接種開始を目指す。
 茂木敏充外相は4月の国会答弁で「邦人が接種を受けられる体制を国が責任を持って構築すべきだ」と表明。これを受け外務省は同月末に10人規模の「帰国邦人新型コロナワクチン接種支援室」を立ち上げ、希望者数の把握に向けたアンケート調査を始めていた。
 ワクチン接種は各国で進んでいるものの、日本で承認された米英製薬大手以外のワクチンは安全性への懸念が根強い。重度の副反応が起きた場合、医療体制や補償の充実度が国によって異なるため、海外での接種を不安視する向きもある。
 南米や東欧など多くの国で普及している中国製ワクチンは「効果が薄い」(政府関係者)との指摘もあり、自民党などが一時帰国する邦人への接種体制整備を訴えていた。
 国内では高齢者への接種が本格化し、学校や企業での職域接種をはじめ、対応が急ピッチで進められている。政府は国内での接種が一定程度進展した段階で在外邦人の接種に着手する方針だ。 (C)時事通信社