毛髪を生み出す器官「毛包」のもととなる幹細胞が作られる仕組みを解明したと、理化学研究所の研究チームが9日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。成果は、毛髪などの再生医療研究を進める基盤になると期待される。
 毛包には、そのもととなる毛包幹細胞が存在し、出生後も生涯にわたって周期的に再生を繰り返す。従来は胎児期に皮膚の表面にあった基底上層細胞という細胞が幹細胞に分化すると考えられてきた。
 理研の藤原裕展チームリーダーと森田梨津子研究員らは、マウスの胎児期の細胞一つ一つの分化を追跡する手法と、どの時期にどんな遺伝子が働いているかを調べる手法を併用し、毛包幹細胞の作られ方を調べた。
 その結果、従来考えられてきた基底上層細胞とは異なり、皮膚にできたプラコードと呼ばれる円盤状組織の外縁部の細胞が幹細胞に分化していたことが判明。円盤状の組織はその後、望遠鏡の筒を伸ばすように立体的になり、幹細胞を含む毛包を形成することも分かった。 (C)時事通信社