政府がまとめた「骨太の方針」原案には、新型コロナウイルス禍の教訓を踏まえ、新たな感染症への対策が盛り込まれた。強力な司令塔の下での緊急時対応や、病床の逼迫(ひっぱく)を防ぐ仕組みの構築が柱。遅れが指摘される国産ワクチンの開発も後押しし、社会経済活動を維持しながら感染拡大を抑える体制を整える。
 経済協力開発機構(OECD)によると、日本の人口1000人当たりの病床数は13と加盟国で最も多い。ただ、中小規模が多い民間病院は感染症への対応が難しいことなどから、コロナの感染拡大に伴って病床不足が深刻化した。
 骨太原案は、今後の緊急時の感染症対応について「より強力な体制と司令塔の下で推進する」と明記。感染症が短期間で急拡大した場合は、「昨冬の2倍程度を想定した患者数に対応可能な体制に緊急的に切り替える」とした。
 都道府県をまたいで患者に対応する仕組みも整える。また、重症用や中等症用といった医療機関ごとの役割分担を徹底し、実情に応じた転院支援などで各地域の病床を効率的に活用。感染症対応で通常の診療が制限された病院に対しては減収分を補填(ほてん)する。
 新たな感染症に備え、国産ワクチンの開発・生産体制の強化も掲げた。平時から開発を支援するほか、「安全性や有効性を適切に評価しつつ、より早期の実用化を可能とするための仕組み」を検討する。 (C)時事通信社