【ロンドン時事】11日開幕の先進7カ国首脳会議(G7サミット)では、菅義偉首相が間近に迫った東京五輪・パラリンピックへの支持を改めて呼び掛け、各国首脳も賛同する方向だ。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大は止まっておらず、安全面への不安は根強い。G7としての賛同表明に、欧米市民の間で広がる延期・中止論を弱める効果があるかどうかは不透明だ。
 議長国・英国のジョンソン首相は5月、菅首相との電話会談で開催支持を伝達。英首相官邸によれば、ジョンソン首相は「安全な開催を確実にする日本の努力に留意する」と述べており、サミットでも同様の姿勢を示すとみられる。
 他のG7各国もおおむね前向きだ。4月の日米首脳会談の共同声明は、菅首相の開催努力をバイデン大統領は支持すると明記。東京の次の2024年パリ夏季五輪の開催国フランスのマクロン大統領は、東京五輪開会式に出席する予定だ。ドイツ内務省報道官も4月、選手や関係者の派遣について「肯定的だ」と述べた。
 ただ、欧米市民は五輪開催に懐疑的だ。英調査会社ユーガブが5月に行った欧州5カ国(英独仏とデンマーク、スウェーデン)の国民を対象にした世論調査では「五輪が予定通り実施されると思うか」との問いに、全ての国で「思わない」が「思う」を大幅に上回った。
 開催する場合は選手のワクチン接種を出場条件にすべきだとの見解も47~60%を占めた。米国民対象の別の調査では、開催支持と延期希望がそれぞれ37%、36%と拮抗(きっこう)した。
 専門家からも慎重な声が漏れる。英ブリストル大のガブリエル・スカリー客員教授(公衆衛生学)は英紙で「外国人選手らの隔離を免除すれば深刻なアウトブレイク(感染の集団発生)が起きる恐れがある。五輪は実現不可能だ」と警告。ドイツの著名ウイルス学者マルティン・シュトゥルマー氏も公共放送で、感染予防について「(競技内容が多様なため)統一した形式で行うのは極めて難しい」と指摘し、開催延期を勧告した。 (C)時事通信社