イスラエル・Maccabi Healthcare Services(MHS)のGabriel Chodick氏らは、同国でファイザー製の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン・トジナメランを1回接種した16歳以上の50万例超を対象に、接種後24日までの短期有効性を検証。その結果、接種後1~12日と比べて13~24日ではSARS-CoV-2感染率が半減したとJAMA Netw Open2021; 4: e2115985)に発表した。

接種後1~12日と比べ13~24日で感染リスク51.4%低下

 Chodick氏らは、同国の健康維持機構(HMO)の1つであるMHSのデータベースから、2020年12月19日~21年1月15日にトジナメランの1回目接種を受けた50万3,875例(平均年齢59.7歳、女性52.4%)を抽出。接種後1~12日のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査によるSARS-CoV-2陽性率および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状発現などに関するデータを検討した。このうち35万1,897例(平均年齢61.7歳、女性51.2%)については、接種後13~24日の追跡データも解析した。

 その結果、PCR検査でSARS-CoV-2陽性と判定された者は、接種後1~12日の2,484例(累積感染率0.57%)に対し、13~24日では614例(同0.27%)に減少した。接種後18日から感染率の有意な低下が認められた。

 1日当たりのSARS-CoV-2感染率の加重平均は、1~12日の10万人当たり43.41人(標準誤差12.07人)に対し、13~24日では21.08人(同6.16人)に低下。接種後1~12日と比べ、13~24日ではワクチンの有効率が有意に高かった〔SARS-CoV-2感染の相対リスク低下率(RRR)51.4%、95%CI 16.3~71.8%、P<0.001〕。

 年齢、性、居住地域・集団、併存疾患で層別化したサブグループ解析の結果も同様で、SARS-CoV-2感染のRRRは60歳以上で44.5%(95%CI 4.1%~67.9%)、60歳未満で50.2%(同14.1%~71.2%)、女性で50.0%(同13.5%~71.0%)、男性で52.1%(同17.3%~72.2%)、超正統派ユダヤ人(同国の少数派集団で一般人口と比べ感染率が高いことが示されていた)で53.5%(同19.1%~73.2%)、心血管疾患を有する集団で47.2%(同7.8%~69.8%)と、13~24日で低かった。

症候性COVID-19に対する有効率は54.4%

 SARS-CoV-2感染例のうちCOVID-19の症状が確認された症例に限定した解析では、1回目接種後1~12日の1,692例(累積リスク0.39%)に対し、13~24日で406例(同0.17%)、症候性COVID-19に対するワクチンの有効率は54.4%(95%CI 21.4~73.0%)と算出された。同等のワクチン有効率は年齢、性、併存疾患の有無を問わず、一貫して認められた。

 以上を踏まえ、Chodick氏らは「トジナメラン1回接種後1~12日と比べ、13~24日ではSARS-CoV-2感染率が51%低下した。今回のリアルワールドでの結果は第Ⅲ相ランダム化比較試験の結果と同等だった」と結論。「今回の結果は、トジナメランのリアルワールドにおける短期有効性のエビデンスを提供するものであり、SARS-CoV-2感染およびパンデミックの抑制に関する意思決定を下す際に重要な意味を持つ」と指摘した上で、「ワクチンの効果を最大限に発揮させるには、緊急使用許可の内容に従って21日間隔で2回接種すべき」と付言している。

(太田敦子)