政府は、新型コロナウイルス対策として東京や大阪など10都道府県に発令中の緊急事態宣言の解除について、週明けから本格的な調整に入る。感染状況が改善傾向にある東京都などの「まん延防止等重点措置」移行を検討する一方、北海道と沖縄県については慎重論もある。飲食店の酒類提供自粛の緩和も視野に入れるが、リバウンド(感染再拡大)の懸念は拭えず、専門家の意見を踏まえ慎重に判断する。
 20日に宣言の期限を迎えるのは、北海道、東京、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、福岡、沖縄の10都道府県。
 このうち、北海道と沖縄県を除く8都府県は、新規感染者数などの指標が「ステージ3(感染急増)」以下に低下しつつあり、政府は宣言解除に傾いている。一方、沖縄県はなお感染状況が深刻なため、地元の意向も踏まえ対応を検討。北海道も週明けの感染状況を見極める。
 感染力の強い変異ウイルスの発生が相次ぐ中、宣言解除による「緩み」を警戒する声も根強い。政府の基本的対処方針分科会の尾身茂会長は11日の国会答弁で、「既に東京の人流は少しずつ上がっており、解除すればさらに加速する」と警鐘を鳴らした。
 このため、政府は宣言を解除した場合も、1カ月程度は「まん延防止等重点措置」の対象とし、リバウンド阻止に万全を期す方針。加藤勝信官房長官は11日の記者会見で、宣言解除後の対応について「重点措置の活用も含めてしっかり議論していく」と述べた。
 宣言解除後の飲食店の酒類提供をめぐり、政府内では「夜7時まで」など限定的に認める案が浮上している。ただ、専門家の間では、感染リスク拡大への懸念から、慎重な対応を求める声が多い。
 政府は合わせて、20日までまん延防止措置を適用中の埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重の5県についても、解除の可否を決定する。 (C)時事通信社