【コーンウォール時事】11日に開幕した先進7カ国首脳会議(G7サミット)参加各国の間で、新型コロナウイルスワクチンの特許権の一時放棄の是非をめぐって溝が生じている。途上国からの求めに応じ、米国やフランスが一時放棄の支持を表明した一方、ドイツなどが慎重姿勢を崩していないためだ。G7はコロナ対応で結束を打ち出す構えだが、必ずしも一枚岩になりきれていない。
 「フランスは当初から感染危機の解決策を世界全体の公益とするために取り組んできた。ワクチンの共有、特許権の開放、医療体制への資金提供。これらはG7の関与にかかっている」。マクロン仏大統領はサミット開幕前にこうツイッターに投稿し、一時放棄に賛意を示した。バイデン米大統領も既に支持を表明している。
 これに対し、米ファイザー社とワクチンを共同開発したバイオ医薬品企業ビオンテックが本拠を置くドイツの政府高官は「良い方策とは思わない」と反対姿勢。欧州連合(EU)高官も「このテーマは政治性が薄れている」として、世界貿易機関(WTO)などの場で実務者が議論すべきだとの認識を示した。日本はこれまでに明確な立場を示していない。
 ワクチンの特許権をめぐっては、インドや南アフリカなどが一時放棄を提案。世界的にワクチンの製造能力を拡大し、安価に提供する上で有益との指摘があるものの、製薬業界は反発している。国際NGOオックスファムのアンナ・マリオット氏は「今回のG7サミットでは、人類の利益よりも製薬会社の利益を優先するのをやめることがかつてないほど求められている」と訴えている。 (C)時事通信社