新型コロナウイルス対策を助言する厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」の会合が16日に開かれ、インドで流行する変異株の広がりによっては、東京五輪期間中に都で緊急事態宣言の再発令が必要になるとの試算が示された。
 再発令をしないまま五輪に観客を入れた場合、無観客時と比べ、感染者が累計で最大1万人以上増える恐れがあるとの試算も提示。ただ変異株の状況など、その他の要因によって大きく左右されるとした。
 試算をまとめた国立感染症研究所などの研究チームは、20日を期限とする緊急事態宣言が解除された後、都内で人出が増加した場合の新規感染者数などを推計。1日1000人以上となった場合は再宣言に相当するとした。
 その結果、インド型変異株の影響が比較的小さく、解除後の人出の増加率を10%程度に抑えたと仮定しても感染者数は増加し、7月後半にも再宣言が必要になると指摘。インド型の影響を大きく受けた場合の再宣言は、7月前半から中旬になるとした。一方、影響を受けない場合は、五輪期間中も人出の増加を15%以下に抑えれば再宣言を回避し得ると分析した。
 現在の全国の感染状況について、専門家組織は「新規感染者数は減少が続いている」との見解を示した。ただ東京都などで繁華街の人出が増加しているとして、「リバウンド(感染再拡大)に向かうことが強く懸念される」と警戒感を表した。
 会合では、4月以降の緊急事態宣言とまん延防止等重点措置による効果の推計も示された。緊急事態宣言が出された地域では、感染者1人が平均してうつす人数「実効再生産数」が平均で26~39%程度下がったが、重点措置が実施された地域では平均2~19%の減少にとどまった。 (C)時事通信社