腎臓で作られた尿を集める腎盂(じんう)や尿管のがんについて、原因となる遺伝子変異を解析して5種類のタイプに分類したと、京都大や東京大などの研究チームが16日までに米科学誌キャンサー・セル電子版に発表した。尿に流れ出た細胞のDNAを調べてこれらの遺伝子変異があれば、がんと診断できることも分かった。
 腎盂と尿管のがんは「上部尿路上皮がん」と総称され、高齢者に多い。膀胱(ぼうこう)がんより発症数が少ないが、自覚症状が出にくく診断が困難なため、発見時には既に進行していることがあり、その後の生存率が低い特徴がある。
 京大の小川誠司教授は「尿に含まれる細胞の遺伝子変異を調べる検査方法は簡単で精度が高い。変異のタイプに応じて治療法や薬剤を選択でき、治療成績の向上が期待される」と話している。
 腫瘍生物学を研究する小川教授や京大の藤井陽一研究員は東大医学部付属病院泌尿器科の久米春喜教授らとともに、同病院などで約200例の腎盂・尿路がん検体を採取し、どのような遺伝子変異があるか網羅的に解析した。
 その結果、悪性度が高い「TP53/MDM2変異型」から低い「高頻度変異型」まで5種類のタイプに分けられることが判明。尿中の細胞に遺伝子変異があるか検査する方法は、尿中の細胞を染色して顕微鏡で観察し、がん特有の形態であるかを調べる「尿細胞診」より大幅に精度が高かった。 (C)時事通信社