再発・難治性前駆B細胞急性リンパ性白血病(B-ALL)の治療として、日本では抗体薬物複合体(ADC)イノツズマブ オゾガマイシン、二重特異性T細胞誘導(BiTE)抗体ブリナツモマブ、キメラ抗原受容体発現T細胞(CAR-T)療法チサゲンレクルユーセルが承認されているが、海外ではさらなる新薬の開発が進んでいる。米・Moffitt Cancer CenterのBijal D. Shah氏らが、ギリアド・サイエンシズの新たなCAR-T療法brexucabtagene autoleucel(KTE-X19)に関する国際第Ⅱ相非盲検臨床試験ZUMA-3の結果をLancet2021年6月4日オンライン版)に報告。「成人の再発・難治性B-ALL患者に長期の利益をもたらしうる」と指摘した(関連記事:「CAR-T療法、リンパ球疲弊前の早期導入を」)。

CR/CRi率は71%を達成

 再発・難治性B-ALL治療においては、再寛解導入療法で完全寛解(CR)を得た後に同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)の施行を目指すこととなるが、CR率は50%未満と予後不良であり、移植後の死亡率も高いなど課題が存在する。そこでShah氏らは、米国、カナダ、欧州の25施設で登録した18歳以上、全身状態(ECOG PS)0〜1、骨髄芽球が5%超の再発・難治性B-ALL患者を対象に、KTE-X19の有効性および安全性を検証した。なお、KTE-X19は昨年(2020年)7月に、成人の再発・難治性マントル細胞リンパ腫(MCL)を適応として、米食品医薬品局(FDA)に迅速承認されている。

 2018年10月1日〜19年10月9日に71例を登録。白血球アフェレーシス施行後、55例(年齢中央値40歳)にKTE-X19を投与した。

 中央値で16.4カ月追跡した結果、主要評価項目とした全CRまたは血液学的に不完全な回復を伴うCR(CR/CRi)率は71%(95%CI 57〜82%、39例、P<0.0001)だった。副次評価項目については、いずれも中央値で寛解期間が12.8カ月(同8.7カ月~評価不能)、無再発生存期間(RFS)が11.6カ月(同2.7〜15.5カ月)、全生存(OS)が18.2カ月(同15.9カ月~評価不能)だった。KTE-X19投与後、allo-HSCTを施行したのは18%(10例)だった。

 安全性については、グレード3以上の有害事象として貧血が49%(27例)、発熱が36%(20例)に認められ、グレード5のKTE-X19関連イベントとして脳ヘルニア、敗血症性ショックが認められた。

 以上の結果から、同氏らは「成人の再発・難治性B-ALL患者に対するKTE-X19投与により、高いCR/CRi率と1.5年超のOSが得られることが示された」と結論。「有害事象の管理もしやすく、KTE-X19は長期的な臨床的利益をもたらす可能性がある」と展望している。

(平山茂樹)