2022年4月に共同持ち株会社を設立した上で、24年4月の合併を目指すことで、青森県のライバル地方銀行2行が今年5月に基本合意した。青森銀行(本店青森市)の成田晋頭取とみちのく銀行(同)の藤沢貴之頭取は17日までに時事通信などのインタビューに応じ、「地域のために統合する」と語った。人口減少に新型コロナウイルス禍が重なり、地方経済が大きな打撃を受ける中、長年過剰が指摘されてきた地銀が統合する先行的なケースとなる。
 ◇当然の帰結=成田・青森銀頭取
 青森銀の成田晋頭取は、みちのく銀との経営統合を「当然の帰結だった」と語った。人口減少をはじめ、「さまざまなものが縮小する近い将来を見ると、地域のためになるのであれば一緒になった方が良い」と決断の背景を振り返った。
 両行は19年10月、包括連携の検討開始を発表し、現金自動預払機(ATM)の利用手数料の相互無料化などを推進。検討過程で「互いに思っていることに大きな違いはなかった」と分かったことで、統合に踏み出す素地が生まれた。
 これからの地銀に求められる役割としては、中小企業などの相談に応じて経営を支援するコンサルティング機能が重要になると指摘。「(両行が)小さな領域で競争するより、一緒になって余裕を生み、体制づくりに力を入れたい」と話し、「伴走型コンサルティング」を目指す考えを強調した。
 みちのく銀に注入された公的資金に関しては、今後の返済で財務状況が一時的に悪化する場合でも、統合効果でカバーできるとの認識を示した。
 ◇独禁法特例が後押し=藤沢・みちのく銀頭取
 みちのく銀の藤沢貴之頭取は、「3年前(の18年に)頭取になった時には(統合を)全く考えていなかった」と述べ、20年11月の独禁法特例法施行が後押しとなったことを明らかにした。
 特例法は、寡占を取り締まる独禁法の例外として、一定の条件を満たすことを前提に地銀の統合を促す内容で、青森銀との経営統合は「今がタイミング(好機)」と考えたという。
 青森銀と始めた包括連携の検討で、同行の成田頭取と意見交換を重ね、「信頼関係が強まり、青森を思う気持ちも同じだった」ことも大きいという。
 コロナ禍が地元経済に打撃を与える中、「目先の話だけで決めていないが(地域経済の停滞は)再び起こり得る。将来を見据えた判断だった」と前向きな決断を強調した。
 統合が実現すると、従業員は4000人規模となる。「新しい事業領域に挑戦すれば、人は足りなくなるかもしれない」と語り、人員を整理せずに経営基盤を強化する道を探る考えを示した。 (C)時事通信社