新型コロナウイルス対策やワクチン接種を担当する公務員が長時間労働で疲弊している。コロナ対応の最前線で働く厚生労働省の職員は「午前4時に帰宅することもあり、土日も気が休まらない」と悲鳴を上げる。専門の弁護士は、多様な業種を対象に、過労死や労災に関する相談に応じる全国一斉の電話窓口を19日に開設する。
 厚労省によると、4月に「過労死ライン」の月80時間を超える残業をした職員は約830人に上った。本省勤務の約5分の1に当たり、中には226時間残業した職員もいた。同省は原因を「コロナ対応の影響が一番大きい」と話す。
 新型コロナの関連部署に勤務する30代の厚労省職員は、自治体への連絡や国会議員の質問通告への対応に追われ、午前3~4時ごろに帰宅することも珍しくないという。忙しい時は同じ部署の7~8割の職員が終電後も働いており、「土日も出勤した末に体調を崩す職員はよくいる」と明かす。この職員は「命に関わる仕事という緊張感があり、休日も気を張ってしまう。長い間健康に働ける環境ではない」と訴える。
 過労死問題に詳しい東京弁護士会の川人博弁護士の元には、感染拡大以降、コロナ禍の影響を受けたとみられる労働者からの相談が相次ぐ。新型コロナ担当で月平均150時間もの残業をした末に死亡した男性公務員の例や、感染拡大でマイカー通勤を始めた後に大動脈解離で倒れた男性管理職の例などがあったという。川人弁護士は「幅広い業種が新型コロナによって影響を受け、長時間労働に至っている」と指摘する。
 こうしたコロナ禍の労働相談に応じるため、「過労死110番全国ネットワーク」は19日、全国34都道府県で電話相談会を開く。時間は午前10時から午後4時までで、電話番号はフリーダイヤル(0120)222751。 (C)時事通信社