米・University of PittsburghのRohit Aggarwal氏らは、皮膚筋炎患者を対象に高用量の静注用ヒト正常免疫グロブリン(IVIG)octagam 10%の有効性、安全性、忍容性を検討する国際第Ⅲ相二重盲検ランダム化比較試験ProDERMを実施。皮膚筋炎に対するoctagam 10%の奏効率は16週時で78.72%であった、と欧州リウマチ学会(EULAR 2021、6月2~5日、ウェブ開催)で報告した。

プラセボからIVIGに切り替え後も改善

 ProDERM試験では10カ国36施設から登録した皮膚筋炎患者95例(年齢中央値53歳、女性75%、白人92%)を、最初の16週間の二重盲検プラセボ対照期間は4週ごとにIVIG (octagam 10%)2.0g/kgを投与する群(以下IVIG 群47例)またはプラセボ群(48例)に1:1で割り付けて治療。その後の非盲検延長期間では、臨床的悪化が見られない両群における全ての患者に対し24週間にわたりIVIG 2.0g/kgを4週ごとに投与した。

 選択基準は①Bohan & Peterの診断基準で確実例または疑い例と判定された成人皮膚筋炎患者②独立した審査委員会により活動性疾患と判定された者③標準的免疫抑制薬を投与中または過去に奏効/忍容性が認められなかった者④筋力低下〔手動筋力検査manual muscle testing(​MMT)-8スコア142未満〕かつInternational Myositis Assessment and Clinical Studies(IMACS)のコアセット評価尺度(CSM)で少なくとも2つの異常値を示す者―とした。

 主要評価項目は16週(二重盲検プラセボ対照期間終了)時の奏効割合とした。奏効は2016年の米国リウマチ学会(ACR)/EULAR筋炎奏効基準の総合改善スコア(TIS)で20ポイント以上の改善と定義した。

 全例で対称性近位​筋力低下と皮膚筋炎に典型的な皮膚症状が認められ、大半がBohan & Peterの診断基準で確実例と診断された。IVIG群の45例(95.7%)、プラセボ群の46例(95.8%)が二重盲検プラセボ対照期間を完遂した。

 解析の結果、16週時の奏効割合は、プラセボ群に比べてIVIG群で有意に多かった(43.75% vs. 78.72%、群間差34.97%ポイント、P=0.0008)。

 副次評価項目は、16週時の中等度(TIS 40ポイント以上)また大幅(TIS 60 ポイント以上)な奏効が認められた割合とした。

 プラセボ群に比べてIVIG群で16週時の中等度の奏効が認められた割合(22.9% vs. 68.1%、群間差45.2%ポイント、P<0.0001)、大幅な奏効が認められた割合(8.3% vs. 31.9%、同23.6%ポイント、P=0.0062)がともに有意に多かった。

 40週時の奏効割合は、IVIG群が71.1%、プラセボ群→IVIG群への切り替えが69.6%。平均TISは、16週時にはプラセボ群と比べてIVIG群で有意に高かった(21.6 vs. 48.4)が、40週時には差が消失した(51.1 vs. 55.4)。この結果により、プラセボからIVIGに切り替えた後に改善したことが示された。

有害事象はほとんどが軽度

 有害事象は、62例(65.3%)で282件発生し、大半が軽度の頭痛、発熱、悪心だった。重篤な有害事象は16週目までにIVIG群の3例(5.8%)で5件、プラセボ群の2例(4.2%)で4件発生した。うち血栓塞栓症の内訳は、肺血栓塞栓症が1件、血栓塞栓性脳血管障害が2件、深部静脈血栓症/肺血栓塞栓症が1件で、その他に失神、感覚鈍麻が見られた。

 以上の結果から、Aggarwal氏は「大規模な国際第Ⅲ相二重盲検ランダム化比較試験で皮膚筋炎患者に対する高用量IVIGの有効性、安全性、忍容性が証明された」と結論した。

(大江 円)