16日に閉幕した通常国会で、菅政権はガードを固めて150日間の会期を乗り切った。だが、新型コロナウイルスの感染再拡大で内閣支持率は低迷し、「政治とカネ」の問題など不祥事も続発した。国民の視線は厳しく、不安を抱えたまま9月以降に想定される衆院選への準備を強いられる。
 与党は1月18日の召集後、2020年度第3次補正予算を同28日、21年度予算を3月26日に成立させた。菅義偉首相肝煎りのデジタル改革関連法や、積年の懸案だった改正国民投票法も処理。コロナ禍で野党が日程闘争を封印した中盤まではおおむね与党ペースで進んだ。
 衆参両院の予算委員会では、コロナ対応や東京五輪・パラリンピック開催の是非に加え、首相の長男が関与した総務省幹部への接待問題が論点となった。首相は厳しい批判にさらされると、重用してきた山田真貴子内閣広報官や谷脇康彦総務審議官(いずれも当時)を更迭。長男に関しても「別人格」と自身の関与を否定し、野党の追及をしのいだ。
 この間、自民党では不祥事が続出した。緊急事態宣言中にもかかわらず、松本純・元国家公安委員長ら3人が深夜のクラブ通いで離党に追い込まれた。4月の3補欠選挙・再選挙は、後手に回ったコロナ対応や、河井克行元法相夫妻による選挙買収事件などが逆風となり全敗した。
 一方、連休明けの5月に衆院採決を目指した入管難民法改正案は、野党が収容中にスリランカ人女性が死亡した問題に焦点を当てて強く抵抗。与党は総務省接待問題に関連して批判を浴びた放送法改正案と共に成立を断念した。
 立憲民主党など野党は、前半国会をコロナ禍も考慮して「提案路線」で臨んだが、3選挙の勝利を受けて5月以降は、都議選や衆院選に向け対決姿勢を前面に押し出した。今月15日には2年ぶりに内閣不信任決議案を提出。立民の枝野幸男代表は衆院本会議での趣旨弁明で「一日も早く新しい政権をつくる」と宣言した。
 ただ、同日は参院でも立民と共産党が議院運営委員長の解任決議案を提出。重要土地等調査法の成立は16日未明にずれ込んだ。コロナ禍での深夜国会について、重度障害を持つれいわ新選組の舩後靖彦参院議員はツイッターに「疑問を感じる」と投稿した。 (C)時事通信社