政府が海外への新型コロナウイルスワクチン供与を本格化させている。先の台湾向けに続く第2弾として、16日にベトナムに送付。今後、東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々に対象を広げる予定だ。中国が自国製ワクチンを途上国に提供することで影響力強化を図る中、友好国と連携し、日本のワクチン外交の出遅れ挽回を狙う。
 茂木敏充外相は15日の記者会見で、日本が確保するワクチンについて「感染状況が非常に厳しい国にスピード感を重視して直接出す」と表明。ASEAN諸国を対象とすることに関しては「『自由で開かれたインド太平洋』を実現していく上で極めて重要な国々だ」と説明した。
 政府は、国際的なワクチン調達枠組み「COVAX(コバックス)」を通じた途上国支援と併せて、2国間での支援を日本と関係の深い国・地域を対象に行っている。政府はASEANとの関係も重視しており、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシアにも7月上旬以降に送付する方向で調整を進めている。
 提供するのは、日本国内で製造する英アストラゼネカ社のワクチン。対象国は同社のワクチンを承認しているという。日本政府が各国・地域に提供するのは計3000万回分で、日本国内での製造能力を考慮しながら送付先を検討する。
 9日の日オーストラリア電話外相会談では、途上国へのワクチン供給で連携を確認した。太平洋島しょ国に対しては、豪州やフランスが支援を強化しており、日本はアジアに注力する。政府関係者は「地域ごとに役割分担する」と説明、自由主義の国々と連携して中国に対抗する構えだ。 (C)時事通信社