新型コロナウイルスワクチンの普及加速に向けた職域接種が21日、本格化した。大学で接種し、「早く帰国し家族に会いたい」とほっとした様子の留学生。テーマパークの従業員は「ゲストに安心してもらえる」と笑顔をのぞかせ、温泉街の芸妓(げいこ)は「癒やしの場に戻したい」と意気込んだ。
 学生や教職員ら約3万5000人が対象の関西大(大阪府吹田市)。接種を終えた韓国人留学生の女性(22)は「出入国時に2週間ずつ隔離が必要なので、1年以上帰国していない。早く帰国して家族に会いたい」と話した。同大は、接種した学生に商店街で使える550円分のクーポン券を配布して普及を後押しする。芝井敬司理事長は「集団免疫獲得へ役割を果たしたい」と語った。
 大学病院の医師らの協力を得て、1日最大約2500人のペースを計画する広島大の東広島キャンパス(広島県東広島市)では、学生らが体育館に設置されたブースに分かれて接種を受けた。同大大学院2年兼本紘希さん(23)は「予約もスムーズで、それほど痛くなかった。早く2回目を打って、論文執筆に必要な実験に取り組みたい」と話した。
 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)では、来場者の案内を担当する石川瑞菜さん(25)が接種後、「より安心して働ける。ゲストの方にも安心して楽しんでもらえたら」と笑顔を見せた。USJの接種対象者は社員やアルバイトら約1万人に上る。園内で勤務機会の多い従業員を優先し、8月末までの接種完了を目指す。
 日本有数の温泉街、有馬温泉(神戸市)では会場のホテルで、浴衣姿の芸妓や旅館の仲居ら120人が接種を受けた。接種を終えた芸妓の一菜さんは「(有馬温泉は)ゆっくりする場所。皆さんに温泉に入って体を癒やしていただく場所に早く戻ってほしい」と効果に期待した。地元観光協会の金井啓修会長(66)は「安心してお客さまを迎えられる。夏休みのピークであるお盆までに済ませたい」と話した。 (C)時事通信社