日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本産婦人科感染症学会は6月17日、共同で「日本でも希望する妊婦は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)mRNAワクチンの接種は可能」と提言した。3学会は「ワクチン接種は妊婦と胎児の双方を守るとされ、海外でこれまでに重篤な合併症が発生したとする報告はない」としている。

接種のメリットがデメリットを上回る

 SARS-CoV-2のmRNAワクチンは、これまで医療従事者や高齢者を中心に接種が進められてきたが、今後は基礎疾患を持つ人、それ以外の人へと対象が順次拡大される。妊婦への接種については、既に多くの接種が行われている海外の情報では、ワクチン接種は妊娠初期を含め妊婦と胎児の双方を感染症から守るとされ、接種により妊婦や胎児に重篤な合併症が発生したとする報告はない。

 妊娠中にSARS-CoV-2に感染すると、特に妊娠後期の感染ではわずかだが重症化しやすいとされている。3学会は「ワクチン接種のメリットがデメリットを上回ると考えられ、特に感染者が多い地域、感染リスクが高い、基礎疾患があるなどの妊婦は、ぜひ接種を検討してほしい」としている。副反応に関して、妊婦と妊婦以外で差はないが、発熱した場合には早めに解熱薬を服用することを勧めている。妊婦でもアセトアミノフェンの内服は問題ないため、頭痛がある場合にも服用すべきだという。

 今回の提言では、SARS-CoV-2ワクチンの予診票には「現在妊娠している可能性はありますか。または授乳中ですか」との項目があるため、「はい」にチェックし、あらかじめ健診先の医師に接種の相談をしておくべきとしている。医師に「接種してもよいと」言われたら、その旨を接種会場の問診医に伝えてから接種を受けることになる。

 3学会は、予定された2回のワクチン接種を終えても、これまでと同様に感染予防策(適切なマスク着用、手洗い、人混みを避けるなど)は継続するよう強調している。

(慶野 永)