新型コロナウイルスの感染対策をめぐり、東京都などで21日、「まん延防止等重点措置」が始まった。来店客の店内滞在時間の制限など条件付きながら久しぶりの酒類提供。繁華街では「乾杯」の声が響き、飲食店店主らは「やっと再開できた」と笑みを浮かべた。
 「お客さまに会えるのは素直にうれしい」。東京・神田の立ち飲み屋オーナー、市道仁さん(46)は笑顔を見せた。緊急事態宣言が出た4月25日に休業。都の協力金などで生計を立ててきた。
 都は重点措置で、客の滞在時間「90分以内」、同一グループの入店「2人まで」などの条件を設けた。市道さんは「回転率が上がり、売り上げ増につながる」と前向きに受け止める一方、酒類提供が午後7時までとされたことには「2次会向けの店はやっていけない」と憤った。
 東京・新橋の居酒屋では、同僚と訪れたサラリーマンらが「乾杯」と声を上げた。久しぶりに元同僚と飲みに出たという女性会社員(49)は「観客を1万人入れて五輪を開催するのはいいのに、居酒屋には制限を課すのはおかしい」と首をかしげた。
 同一グループは「4人以内」との条件が付いた京都府。鴨川の夏の風物詩「川床」を構える飲食店「先斗町魯ビン」(京都市)では、宣言発出で酒類提供を中断して以来、約2カ月ぶりにビールサーバーに水を通した。メンテナンス会社から「(重点措置を機に)営業再開した店舗の対応に追われ、時間通りに行けない」との連絡が入ったという。オーナーの市田絢也さん(40)は「お客さんに感染対策を呼び掛けるなどして、営業していきたい」と意気込んだ。
 和食店「みます屋おくどはん」(同市)を同僚と2人で訪れた20代の女性会社員は「数カ月ぶりでうれしい」と笑顔。ただ、宣言解除後も街の雰囲気に変化を感じないといい、「営業時間も同じだし、(宣言中に)お酒を出してもよかったのではないか」と話した。 (C)時事通信社