先進7カ国(G7)が「新型コロナウイルスに打ち勝つ世界の団結の象徴」として開催を支持する東京五輪開幕まで1カ月。パンデミック(世界的大流行)は各国・地域の大部分で今も続いている。収束のカギを握るワクチン普及は道半ばで、感染拡大に追い付くどころか、まだまだ後れを取っているようだ。
 「ウイルスの動きは、世界のワクチン分配のスピードよりも速い」。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は14日の記者会見で、コロナとの競争に負けていると危機感を示した。念頭にあるのは、感染力が強い変異株の急拡大だ。
 世界全体のワクチン接種回数は今月中旬、累計25億回を超えた。先のG7首脳会議(サミット)は、来年にコロナを克服すべく、途上国などへの10億回分のワクチン供与で合意。ただ、WHOは世界人口(約80億人)の7割の接種を目標に掲げ、累計110億回分が必要と訴えている。
 米ジョンズ・ホプキンス大などによると、世界の累計感染者数は約1億8000万人。欧米を中心としたワクチン接種が奏功し、全体的に新規感染者は減少していたものの、英国やロシアでは変異株の影響でブレーキがかかった。アフリカや南米は増加傾向にある。五輪が先進国だけでなく、途上国も含めた世界のスポーツの祭典であるのは言うまでもない。
 G7首脳宣言は五輪について「安全・安心な形」での開催を支持すると表明している。真のコロナ克服には、WHOが注文を付けるようにワクチンが「より多く、より迅速に必要」(テドロス氏)なのが現状だ。 (C)時事通信社