【ニューヨーク時事】米国はこれまでの夏季五輪で、最大規模の選手団を派遣してメダルを数多く獲得し、スポーツ大国の座を守ってきた。東京五輪を延期させた新型コロナウイルスに対しては、ワクチン開発と接種が急ピッチで進み、スポーツを取り巻く環境が「日常」に戻りつつある。
 ピーク時に一日約30万人を出した米国の新規感染者は、五輪1カ月前の今は1万人を超える程度。野球の大リーグでは多くの球団が観客数制限をなくし、プロゴルフではマスクをしないギャラリーが以前と同じスタイルで観戦を楽しんでいる。
 5月下旬の段階で、米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)は「代表選手が安全に東京大会に参加できることに自信を持っている」と声明を発表。選手団派遣に前向きな姿勢を示した。6月に陸上と水泳の代表選考会が始まると、開催を疑問視してきた米メディアでも、有力選手の動向を伝える報道が増加。人気選手を起用したテレビCMが流されるなど、過去と変わらない大会前のムードが漂う。競泳女子のケイティ・レデッキーは「1年前を振り返ると、選考会に出ているのが信じられない。今夏の大会が本当に楽しみ」と話す。
 米国内で五輪を独占放送するNBCユニバーサルのジェフ・シェル最高経営責任者(CEO)は言う。「ロンドン五輪では交通渋滞、リオデジャネイロ五輪はジカ熱が懸念されたが、開会式が始まれば、みんな忘れて大会を楽しんだ。今回も同じだ」。東京五輪では同社史上最高の広告収入が見込まれるとの報道もある。国際オリンピック委員会(IOC)を巨額の放映権料で支えるNBCの強気な姿勢が、大会を開催へと押し進めている。 (C)時事通信社