7月23日の東京五輪開幕が近づく中、新型コロナウイルスの感染状況が各国・地域の選手の出場権争いや練習環境に影響や格差を生んでいる。本来スポーツにあるべき公平性が損なわれる例も目立ち、懸念の声が上がる。
 野球の五輪最終予選(6月22~26日)は、新型コロナの影響で開催地が当初の台湾からメキシコに変更された。中国のほか、過去の五輪で実績のある台湾とオーストラリアが出場を辞退。コロナ禍で渡航や練習場所確保がネックとなり、最終予選は3チームで最後の1枠を争う寂しい舞台になった。
 6月下旬にナイジェリアで開催予定だった陸上のアフリカ選手権は中止となり、五輪出場資格に関わる世界ランキングのポイントを多く獲得する機会が失われた。陸上関係者によると、特にトップ級より下のレベルの選手にとって影響が出るという。変異株が広がるインドの陸上やカヌーなどの選手が、渡航困難を理由に予選出場を断念したとの報道も地元メディアで伝えられている。
 感染状況によって各国内での練習環境が異なるほか、大会直前に日本国内で計画された合宿も中止となるケースが続出。万全の感染対策が取れないことなどが理由となった。内閣官房によると、中止した自治体は今月上旬の時点で120以上に達した。
 国際競技団体の幹部からは「不公平だらけになるのではないか」「来られない国、行かせない国も出て、特別な五輪になるのは間違いない」との声が聞かれる。大会時も感染リスクへの考慮から、競技開始5日前にならないと選手村入りできず、時差や暑さに慣れる時間が少ないことへの危惧も。こうした事情から、地の利を得る日本勢のかつてない好成績を予想する向きもある。 (C)時事通信社