人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、新生児レベルの心筋細胞を作製することに成功したと、京都大iPS細胞研究所の吉田善紀准教授らの研究グループが発表した。論文は25日までに、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版に掲載された。
 iPS細胞から作られた心筋細胞は虚血性心筋症の患者に移植されているが、これまでは胎児レベルのものしか作製できず、移植できる状態にまで成熟させる必要があった。グループは今後、成人レベルの細胞作製を目指すという。
 研究グループは、心筋細胞の成熟度合いに応じて増えるたんぱく質「トロポニンI(アイ)」に着目。このたんぱく質の量に応じて発光するiPS細胞由来の心筋細胞で成熟度を調べたところ、細胞の核の中にある特定のたんぱく質が心筋細胞の成熟を促進させていることが判明した。成熟した心筋細胞に見られる筋細胞膜が管状に入り込んだ「T管構造」の存在も確認できたという。
 吉田准教授は「創薬研究や再生医療などへの応用が期待できる」と話している。 (C)時事通信社