東京五輪・パラリンピックの新型コロナウイルス感染予防策をまとめたプレーブック(規則集)第3版が公表された。今後も状況次第で修正の余地があるとはいえ、ウイルス検査や違反時の罰則など対策には穴が多く、効力に疑問が残る。
 原則として毎日検査する選手とチーム関係者について、検体の採取方法が変更された。第2版では選手村などの専用エリアにおいて監督下で実施するとしていたが、各選手団のコロナ責任者が取りまとめて会場や選手村で提出することになった。
 大会組織委員会の中村英正統括は「1カ所(の専用エリア)に集まると密になる。責任者の監督下で検査するか、あるいは(全員を毎日検査せずに)人数を間引いて集まってもらうか。究極の選択だった」と説明した。ただ、いわば仲間内での採取になるため抜け道はある。「抜き打ち検査も考えていく」と言うが、具体策は見えない。
 検体提出の時間帯を朝と夕の2度設け、偽陽性による翌日の競技への影響を抑えるとした。午後に予選、午前に決勝がある競泳など、再検査になれば間に合わないケースも考えられる。国際オリンピック委員会(IOC)のマコーネル競技部長は「予定に合わせて柔軟に検査の時間を確保できる」と話したが、疑問には直接答えなかった。
 規則に違反した場合の罰則は警告、参加資格剥奪、大会からの除外、失格、金銭制裁に加え、国外退去も明記された。IOCのデュビ五輪統括部長は処分の基準や制裁金額などに触れず、「何かあれば、懲戒委員会が判断する」と述べた。
 また、選手やチーム関係者だけでなく、海外から入国するメディアを含む大会関係者の行動も全地球測位システム(GPS)で管理することが示された。しかし、例えばスマートフォンを宿泊先に置いたまま外出することなども考えられる。中村氏は「持って出ていないと、それ自体がペナルティー」とは言うが、果たして機能するのか。 (C)時事通信社