各党が東京都議選に向けて発表した公約では、新型コロナウイルスの収束が見通せない中、来月の東京五輪へのスタンスの違いが表れた。自民、公明両党は公約の中で五輪に言及していないのに対し、共産、立憲民主両党などは中止や延期を求める考えを明確にした。
 都議会第1党の地域政党「都民ファーストの会」は、「都民の命と暮らしを守り抜くことを最優先に、あらゆる選択肢を視野」に入れる姿勢を公約に明記。開催の場合は最低でも無観客とすることを求めた。これに関連し、開催の準備に当たってきた小池百合子知事は、大会5者協議で「観客上限1万人」に同意。「状況に応じて、無観客も検討する必要がある」との認識も示したが、特別顧問を務める同会と距離ができている。
 国政与党として五輪を推進している自公両党。公約での言及はないものの、都議会自民党の山崎一輝幹事長は「国のルールにのっとって、われわれはしっかりと前に進めていく大きな責任がある」と強調した。都議会公明党の東村邦浩幹事長は「都や政府が感染防止対策を徹底し、医療提供体制を強化した上で、都民、国民にしっかり説明すべきだ」と訴えた。
 これに対して、共産は公約で「今夏の五輪中止の決断を直ちに下し、都のあらゆる力をコロナ対策に全力を集中することを強く求める」と主張。立民は「感染拡大の懸念を払拭(ふっしょく)できない限り、延期できなければ中止するしかない」と指摘した。地域政党「東京・生活者ネットワーク」は中止を求める声明を発表している。
 このほか、日本維新の会は、ワクチン接種や国内の感染状況などの客観的指標に基づき開催の可否を判断することを提起。国民民主党は「開催の是非で政争をすべきではない」と表明している。 (C)時事通信社