新型コロナウイルス対策の支援金をだまし取った詐欺の疑いで経済産業省のキャリア官僚2人が25日逮捕され、省内に衝撃が走った。原発再稼働など世論の反発が少なくないテーマを抱える同省にとって、国民の信頼維持は政策を遂行する上で最優先すべき課題。逮捕の事実を知らされた同省幹部は「なぜそういうことをするのか。信じられない」と言葉を失った。
 一連のコロナ支援策は困窮に陥った人々を迅速に救済するため、手続きをできるだけ簡略化して「性善説」で運用する方針を採用。実際に多くの不正受給の事例が発生している。こうした制度の抜け道を知り尽くす経産官僚が知識を悪用して不正に手を染めた構図は、今後の支援策にも影響を及ぼしかねない。職員の一人は「同じ国家公務員として言語道断だ」と厳しく批判した。
 逮捕された官僚はいずれも20代。一人は若手のホープとして脱炭素に関するワーキンググループにも参加していた。経産省は20~30代の職員に政策提言を作成させたり、頻繁に抜てき人事を行ったりすることで知られ、若手の育成に積極的という評価もある。省内の同世代の職員は「制度を悪用する人がいるから支援金の給付が遅れる。国民の思いを踏みにじり、経産省の一人として残念だ」と憤りを隠さなかった。 (C)時事通信社