総務省が25日公表した2020年国勢調査では、日本の人口が減少傾向にあることが改めて鮮明になった。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に出生数が過去最少を更新する中、人口減と少子高齢化の進行に拍車が掛かっており、子育て支援や多様な働き方への対応が急務となる。
 20年国勢調査では外国人を含む日本の人口は、前回調査に続き2回連続で減った。減少率は0.7%で前回(0.8%減)より若干緩和したが、在留邦人が一時帰国するなど新型コロナによる特殊要因が大きいとされる。
 少子化の傾向も著しく、厚生労働省が今月公表した20年人口動態統計では、出生数が約84万8000人と5年連続で過去最少。コロナ禍で産み控えがあったとみられ、合計特殊出生率も1.34にとどまる。
 政府は対策の一環として、先の通常国会で男性の育児参加を促す改正育児・介護休業法を成立させたほか、子育て施策の司令塔となる「こども庁」創設の検討を急ぐ。出産・子育てに経済的不安を持つ家庭のため、財政支援も含めた環境整備が求められる。
 減少が避けられない生産年齢人口への対応も課題だ。子育てや介護など家庭の状況に応じて勤務時間を選択できるようにしたり、長寿化を見据えて引退年齢をさらに引き上げたりするなど、柔軟に働き続けられる制度への移行が欠かせない。社会人の新たなスキル習得を後押しする政策も待ったなしだ。
 今回の国勢調査では、都市部への人口集中の傾向も顕著となった。しかし昨年から今年にかけて東京都の転出者が転入者を上回る月が出るなど、コロナを機に都心から住み替える動きも広がりつつある。テレワーク普及など新型コロナを地方創生の追い風とできるかも注目される。 (C)時事通信社