新型コロナウイルスワクチンの年少者接種に集団抗議を呼び掛けたり、ワクチンに関するデマを流したりしていたフェイスブック(FB)上のグループが次々に削除されている。FB側は「接種妨害を計画するコンテンツは禁止で、ワクチンに関する虚偽投稿も許容しない」と説明。「規約違反でなくても、不必要に不安をあおる投稿は表示頻度を下げる対応を取っている」としている。
 年少者へのワクチン接種をめぐっては、各地の自治体に「危険性を認識しているのか」などと抗議の電話が殺到。多くの役場で業務が滞ったほか、職員を脅迫したり、用意した文章を繰り返し読み上げたりする電話もあった。
 FB上にはワクチンに懐疑的な人たちがこうした電話抗議を呼び掛ける「グループ」がつくられ、一時は900人超が参加。対象自治体のリストを基に「所構わず抗議しましょう」などと投稿されていたが、今月下旬までに閲覧できなくなった。
 発起人の男性は名前が似た同趣旨のグループを立ち上げたが、再び閲覧不可に。他にも「コロナの真実を伝える会」などのグループが次々に見られなくなっている。
 FBの日本国内の広報代理担当者は「新型コロナに関するポリシーに反するため削除した」と説明。対象は主に「ワクチンの安全性、有効性などに関する虚偽の投稿や陰謀論」で、「誤情報を信じた場合に病状が悪化したり、必要な治療を受けられなくなったりする可能性がある投稿の削除に特に注力している」という。
 土田昭司・関西大教授(安全心理学)は「削除は表現の自由との関係で慎重に行われるべきだ」とした上で、「ワクチン接種に関するデマや妨害で大勢の命が失われる恐れがあり、削除にやむを得ない面はある。ただ、主張を削除された人たちが地下に潜り、カルト化することも危惧される」と指摘。「ワクチンに不安を持つ人たちを孤立させず、対話する仕組みが必要だ」と話している。 (C)時事通信社