梶山弘志経済産業相は29日の閣議に2021年版の通商白書を報告した。新型コロナウイルスの感染拡大や米中対立を機に製造業のサプライチェーン(供給網)のもろさが露呈したことを踏まえ、経済安全保障を強化する必要性を強調。半導体をはじめとする重要物資の確保に向けて生産拠点の多様化に加え、「(欧米など)有志国との『信頼』を軸としたグローバルサプライチェーンの構築が重要だ」と指摘した。
 サプライチェーンをめぐり、強制労働や児童労働などの人権侵害に対する問題意識も高まっている。企業に対しては、各国の規制強化に適切に対応するよう求めた。一方、「法令順守を超えた過度な萎縮は不要」とし、事業機会を失わないよう、欧米の競合他社を参考に「したたかな対応」を行うべきだとした。
 また、新型コロナワクチンの輸出制限や国内産業保護のための関税引き上げといった保護主義的な動きが常態化する恐れがあると懸念を表明。こうした事態を避けるため、世界貿易機関(WTO)や経済協力開発機構(OECD)などでのルール作りが必要だと訴えた。 (C)時事通信社
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