製薬大手ノバルティスファーマの高血圧治療薬「ディオバン」をめぐる論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)罪に問われた元社員白橋伸雄被告(70)と、法人としての同社について、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は29日までに、検察側の上告を棄却する決定をした。28日付。白橋被告と同社を無罪とした一、二審判決が確定する。
 白橋被告は京都府立医科大大学院が実施したディオバンの臨床研究で、データの統計解析を担当。広告に用いる目的で、同社に有利に改ざんしたデータを医師に提供し、2011~12年に学術雑誌に論文を発表させたとして起訴された。論文を掲載させた行為が、薬事法が禁止する虚偽広告に当たるかが争点だった。
 小法廷は、論文は研究者が学術用に作成し、掲載されたのも専門的な学術雑誌だと指摘。論文掲載は専門家に向けた学術研究成果の発表と言え、「特定の医薬品の購入、処方などを促すための手段ではない」として虚偽広告には当たらないと判断した。 (C)時事通信社