心不全患者では、回復期の心臓リハビリテーション(心リハ)により再発予防が期待できるが、実施施設への通院の負担などにより導入率は低い。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下の現在、外来受診に不安や抵抗を感じる患者も少なくない。日本遠隔運動療法協会(JARET)は6月28日、これらの問題の解決が期待されるオンライン型心臓リハシステム「Tele-MedEx Club」をNPO法人ジャパンハートクラブと共同で開始すると発表した。

有効性は施設通院型心リハと同等

 高齢化が進むわが国では、心不全による入院患者数が毎年約1万人ずつ増加している。高齢心不全患者の再入院率は高く、外来や在宅で再発防止を目指す疾病管理が喫緊の課題となっている。

 回復期の心リハによる再発予防効果が認められている一方で、わが国における心不全患者の心リハ実施状況を調査したAMED-CHF研究では、外来リハを実施している患者は7.3%にとどまっている(Circ J 2019; 83: 1546-1552)。心リハの普及を阻む要因として、施設へのアクセスや通院時間などが指摘されている。

 このような状況の中、在宅で実施可能なオンライン型の心リハが注目されている。「遠距離で施設に通えない」「付き添いが必要」などの理由で心リハが実施困難だった患者において、導入を阻害する要因の解消が期待できる。

 Tele-MedEx Clubは、生活習慣改善プログラム(一次予防)と循環器病の再発予防(維持期心リハ)の運動療法をオンラインで提供。医師監修の下で会員管理サービスシステムを構築し、JARETにより患者の安全とサポートに特化した運営が行われる。運動指導は医師の運動処方に基づき安全に配慮した上で、日本心臓リハビリテーション学会認定の心リハ指導士と健康運動指導士の2名1組で行う。同じ目的を持つ患者同士がオンラインでつながることができるため、交流によるモチベーションの維持・向上が期待できるという(

図. オンライン型心リハシステムの概要

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(JARETプレスリリースより)

 これまでに報告された臨床試験のメタ解析結果では、オンライン型心リハによる心疾患による再入院、QOLおよび心イベント数などは施設通院型心リハと同等であることが明らかにされている(Health Technol Assess 2007; 11: 1-118)。オンラインの活用による心リハの普及が期待される。

安部重範