新型コロナウイルスワクチンの高齢者向けの接種回数が、30日までに累計3000万回を超えた。政府が高齢者接種完了の目標期限とする7月末まであと1カ月となる中、達成への道筋が見えつつある。ただ、今後本格化が予定される一般向け接種は、供給遅れによるペースダウンが懸念される。
 首相官邸によると、高齢者向けの接種回数は6月29日時点で累計約3077万回に達した。少なくとも1回打った高齢者は約2138万人で、対象者の6割近くに上る。医療従事者は、当初見込みの対象者(480万人)を超える約482万人が2回目を完了しており、ほぼ打ち終えたとみられる。
 政府は、接種券を基に各自治体が登録するシステムから接種回数を算出している。数日分をまとめて入力する自治体分は反映が遅れるため、実際の接種回数はさらに積み上がる可能性が高い。
 医療従事者らを含む1日当たりの総接種回数は6月8日に100万回に達し、その後の平日は直近を除きほぼ100万回を記録している。同16日には110万回を超え、うち高齢者向けは約95万回だった。
 高齢者向けは約3600万人が対象で、2回の接種(計約7200万回)が必要。今後、高齢者向けに1日100万回の接種が実現すれば、7月末の累計は少なくとも約6177万回となる計算で、全体の85%に達する。
 高齢者向けワクチンの自治体への配布はおおむね終わっており、供給遅れの影響は受けない。接種を希望しない高齢者が一定数いることなどを踏まえると、政府目標達成の道筋は見えてきたと言える。
 一方、政府は米モデルナ製ワクチンの不足により、一時休止していた職域接種の申請停止を継続する方針を決めた。一部自治体では、7月の国からのワクチン供給が減少するため、64歳以下の接種予約を中断する動きも出ている。
 8月以降の国のワクチン供給計画はまだ示されていない。供給の遅れによっては、今後本格化する一般向けで現在のペースを維持できなくなる可能性もある。 (C)時事通信社