仙台空港の運営が民営化されて7月1日で5年。利用旅客数を順調に伸ばしていた直後、新型コロナウイルス禍の逆風に見舞われた。運営会社は赤字決算を強いられたが、ワクチン接種の進展に伴う航空需要の回復に期待。「東北の空の玄関口」として、コロナ後の巻き返しを見据えて動きだしている。
 仙台空港の利用旅客数は、2019年度に372万人と過去最高を3年連続で更新していたが、20年度は一転して前年度比67%減の122万人に落ち込み、民営化後で最低となった。東日本大震災に伴う津波で甚大な被害を受けた11年度の185万人を34%下回る低水準。コロナ禍で国内線が大幅に減便となり、国際線が全便運休となった打撃は大きい。
 東急グループなどが出資する運営会社、仙台国際空港(宮城県名取市)の鳥羽明門社長は、コロナ禍について「ここまで影響があるとは思わなかった。航空業界は特に厳しく、傷が深い」と話す。20年度決算は、売上高が前年度の半分以下に減り、純損失は15億円に拡大。民営化後で最悪の赤字計上を余儀なくされた。
 ただ、逆境の中でも、松山線の新規就航や広島線の増便が決定。21年2月には24時間運用の前提となる立地自治体の同意を取り付けた。東北初の24時間空港化を武器に、旅客数の回復と路線拡充を目指す構えだ。
 航空政策が専門の東京工業大の花岡伸也教授は、国内線需要は今年度中に回復すると予想する一方、国際線は「ワクチン接種が進む先進国とのネットワークがある空港から路線が戻る」と分析する。
 国際線の再開は、アジア路線が多い地方空港では遅れ、地方空港の苦境は長引く恐れもある。 (C)時事通信社