国税庁は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2021年分の土地の路線価(1月1日時点)を公表した。標準宅地の評価基準額は全国平均で前年を0.5%下回り、6年ぶりに下落。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、商業地を中心に多くの地域で弱含みとなった。
 都道府県別では、7年連続で上昇していた東京や大阪、愛知など39都府県で下落。北海道と宮城、福岡など6県は上昇したが、上昇幅は最大1.8%にとどまった。
 都道府県庁所在地の最高路線価も、22都市でマイナスに。最も大きく下がったのは奈良市の12.5%で、神戸市9.7%、大阪市8.5%、盛岡市8.0%と続いた。上昇率が最も高かった仙台市でも3.8%で、昨年の那覇市(40.8%)、大阪市(35.0%)と比べ小幅だった。
 全国の評価対象地点のうち、最も下落率が高かったのは大阪・心斎橋筋の26.4%。同じくインバウンド(訪日外国人旅行者)需要などで地価の上昇が続いていた東京・浅草でも11.9%、岐阜・高山でも12.7%下落した。
 路線価の最高額は、東京・銀座の鳩居堂前で、1平方メートル当たり4272万円。36年連続で全国最高だが、前年比7.0%減で、9年ぶりにマイナスに転じた。
 路線価は通常、1月1日時点の評価額が年間を通じて適用されるが、国税庁は昨年7~12月分について、コロナの影響で20%を超える大幅な地価下落が確認されたとして、大阪市の繁華街計13地域で減額修正した。21年分も、地価変動に柔軟に対応できるよう、動向調査を実施するとしている。 (C)時事通信社