【バンコク時事】東南アジア有数のリゾート地であるタイ南部プーケットで1日、新型コロナウイルスワクチンの接種を条件に、入国者の隔離を免除する措置が始まった。政府は観光業の復活につながると期待するが、国内で感染者が急増する中での規制緩和に、国民の間で警戒感も広がる。
 免除するのは感染が比較的抑えられているとタイ政府が判断した国・地域からの入国者で、日本はビジネス客のみが対象となる。1日はシンガポールや中東からの旅客便が到着。プーケット県に少なくとも14泊して感染が確認されなければ、タイ国内を自由に移動できる。
 国内総生産(GDP)の2割近くを観光業が占めるとされるタイは、新型コロナで外国人観光客が姿を消し、経済が甚大な影響を受けている。政府は7月からの3カ月間で10万人の観光客を受け入れ、再生への足掛かりにする考えだ。
 タイでは4月から第3波が続き、インド由来のデルタ株の感染が拡大している。1日に新たに確認された感染者は5533人で、死者は一日当たりでは過去最多の57人。累計死者は2080人と2カ月で9倍以上に膨らんだ。首都圏では6月28日から規制を強化し、店内飲食禁止などの措置を取っている。
 プラユット首相はプーケットに続き、ワクチンを接種した入国者の隔離を10月中旬までに全土で免除する方針。国民の窮状を考えれば「危険を承知で踏み切る時だ」と語るが、世論調査では過半数が反対し、「経済より安全を重視」という意見が7割に上っている。 (C)時事通信社