【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)で1日、新型コロナウイルスワクチンのデジタル接種証明書の共通運用が本格的にスタートした。証明書の所持者には原則、域内各国間を移動する際の検査や自主隔離を免除。夏の旅行シーズンを目前に控え、欧州の「移動の自由」復活に期待がかかる。
 証明書はスマートフォンの専用アプリで取得。EUで承認済みのワクチンの接種歴や検査の陰性結果、コロナ感染からの回復歴を、空港などでQRコードで読み取る仕組みだ。一部加盟国で先行導入されていたが、1日からEU全体での利用が正式に始まった。
 EUでは6月末までに成人人口の約4割が接種を完了した。一方で公平性にも配慮し、未完了でも原則的には渡航直前の検査の陰性結果をアプリで示せば入国できる。
 ただ、実際の入国要件やチェック手順は国ごとに異なる場合もある。国際航空運送協会(IATA)は、現状では少なくとも10の運用方法があると指摘。他団体との6月28日の共同声明で「今後数週間で空港が大混乱に陥るリスクは現実的なものだ」と警告し、統一した運用法の確立を急ぐよう訴えた。
 また、ここに来て感染力が強い「デルタ株」への警戒が高まっており、より厳格な措置を支持する国とそうでない国との間で、足並みが一段と乱れる可能性もある。ドイツは6月29日から、デルタ株が広がるポルトガルからの入国を制限。ワクチン接種完了者にも自主隔離を義務付けた。 (C)時事通信社