全国健康保険協会は2日、中小企業の従業員らが加入する健康保険(協会けんぽ)の2020年度決算見込みが6183億円の黒字だったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大により患者の受診控えなどが起き、協会が医療機関に支払う「医療給付費」が08年度の協会発足以来初めて減少した。黒字は11年連続で、黒字幅は過去最高となった。
 収入は前年度比1.0%減の10兆7650億円。コロナによる景気悪化で賃金が下がり、賃金に応じて支払われる保険料収入が減ったことや、保険料納付の特例猶予制度が創設されたことが原因という。収入減少は、リーマン・ショック後の09年度以来。
 支出は同1.8%減の10兆1467億円。受診控えに加え、コロナの感染予防強化でインフルエンザなどの罹患(りかん)も減ったため、加入者1人当たりの医療給付費は同3.5%減の13万8280円となった。
 20年度に75歳になる高齢者が少なかったため、後期高齢者医療制度に対する協会からの拠出金が同1.5%増の2兆1320億円にとどまったことも、支出減少の要因となった。 (C)時事通信社