勃起不全(ED)と骨粗鬆症には共通する危険因子があり、ED患者は骨粗鬆症のリスクが高いとの報告がある。中国・First Affiliated Hospital of Soochow UniversityのJiangnan Xu氏らは、EDと骨粗鬆症の関連についてシステマチックレビューおよびメタ解析を実施し、結果をMedicine2021; 100: e26326)に報告した。

4報・2万例超をメタ解析

 EDと骨粗鬆症については潜在的な関連が指摘されており、最近ではEDの男性は性機能が正常な男性に比べ骨密度が低く、骨粗鬆症リスクが高いことが報告されるなど、注目を集めている(Arch Androl 2005; 51: 177-184Prague Med Rep 2015; 116: 24-30)。しかし、EDが骨粗鬆症の発症要因なのか、EDが骨粗鬆症予測因子になるのかなど、両疾患の関連性にはいまだ議論の余地がある。

 そこでXu氏らは、両疾患の関連を解明し、潜在的なメカニズムを検証する目的でシステマチックレビューおよびメタ解析を実施した。2020年6月4日までにPubMed、EMBASE、Cochrane Library、Web of Scienceに掲載された論文から、「ED、性機能障害、インテンス」および「骨粗鬆症、骨減少症、骨密度」をキーワードに検索。EDまたは骨粗鬆症の男性を対象として骨粗鬆症の発症を検討した観察研究論文4報(2万2,312例)を抽出。アウトカムが不明瞭、データが不足、EDおよび骨粗鬆症の診断基準が曖昧な論文などは除外した。

 まず、交絡因子の可能性がある年齢やBMIなどのベースラインデータについてメタ解析したところ、ED群と非ED(対照)群で年齢(平均差1.72、95%CI −0.53〜3.97、P=0.13)およびBMI(同0.15、−7.35〜7.65、P=0.97)に有意差は示されなかった。

ED患者は骨粗鬆症リスク2.7倍、若年患者でリスク上昇

 次に、骨粗鬆症との関連についてメタ解析を行った。その結果、対照群に比べED群は骨粗鬆症の発症リスクが有意に高かったものの〔オッズ比(OR)2.66、95%CI 1.42〜−4.98、P=0.002〕、有意な異質性が認められた(I2=68%)。

 また、4報中2報で高齢のED患者に比べ若年のED患者で骨粗鬆症発症リスクが上昇することが示唆されたが、Xu氏らのメタ解析では40〜59歳の比較的若年患者群においてリスクの上昇が認められた。

 さらに、日本の4都市に居住する40〜64歳の男性1,419例を対象にEDと抑うつ症状の関連を調べた研究では、55歳以上に比べ45〜55歳以上でより強いEDと抑うつおよび不安症状との関連が認められた点に言及(J Sex Med 2005; 2: 390-396)。EDと骨粗鬆症の関係において、抑うつ症状が重要な役割を果たしている可能性があると指摘した。

 今回のメタ解析結果から、同氏らは「ED患者、とりわけ若年層では骨粗鬆症の発症リスクが高いことが明らかになった」と結論。「骨粗鬆症の評価は低コストかつ非侵襲的に行えるため、医師は両疾患の関連性を認識し、患者に適切なアドバイスを行う必要がある」と付言し、より大規模な前向き研究により両疾患に関わるメカニズムの解明の重要性を指摘している。

松浦庸夫