インド由来の新型コロナウイルス変異株「デルタ株」が、世界で猛威を振るっている。インドネシアやロシア、南アフリカでは週末、感染者がそれぞれ2万人超を記録。サッカー欧州選手権では各地で観戦した計2000人以上が感染するなど、23日に開幕を控える東京五輪にも不安が影を落とす。
 ◇首都を部分封鎖
 インドネシア政府は3日、デルタ株の感染拡大を受けて部分的なロックダウン(都市封鎖)を開始した。ジャカルタ・ポスト紙(電子版)によると、3日に発表された新たな感染者は2万7913人で、死者は493人。同国の累計死者数は6万人を数える。
 首都ジャカルタではイスラム礼拝所(モスク)や商業施設、飲食店は全て封鎖された。5万人以上の警官と兵士がジャワ島や観光地のバリ島に配置され、取り締まりを強化している。
 ◇南アは医療が限界
 デルタ株の猛威は、ワクチン接種率が約16%と低調なロシアでも顕著だ。AFP通信によると、4日に発表された新たな感染者は2万5142人と、1月2日以来の高水準。国内では国産ワクチンへの不信が根強く、プーチン大統領は6月30日の国民とのテレビを通じた対話で、国産ワクチン「スプートニクV」を自ら接種したと公表し、不安の払拭(ふっしょく)に努めた。
 アフリカでは南アフリカでの感染拡大が深刻化し、3日に発表された新規感染者は1日では過去最多の約2万6000人。同国のワクチン接種率はわずか5%で、ロイター通信によると、病床や医者が不足するなど、医療サービスが「限界点」に達している。
 ◇WHOが警告
 世界保健機関(WHO)は1日、デルタ株の感染拡大を受けて、欧州各地で開催中のサッカーの欧州選手権への監視を強めるべきと警告した。ロシアで観戦した約300人の感染が確認されたほか、英国では6月30日のスコットランド保健当局の発表によると、同選手権を観戦した2000人近くが感染した。
 米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、5日時点の世界のコロナ感染者は累計約1億8370万人。死者は397万人で、400万人に迫っている。 (C)時事通信社