【ベルリン時事】世界保健機関(WHO)は6日、新型コロナウイルスに感染した入院患者について、「インターロイキン6(IL―6)阻害薬」をステロイド剤と併用することを推奨すると発表した。死亡や人工呼吸器装着のリスクを減らせることが判明したという。IL―6阻害薬には、大阪大学と中外製薬が開発した関節リウマチの治療薬「トシリズマブ」(商品名アクテムラ)などがある。
 治験は、WHOと英キングス・カレッジ・ロンドンなどが共同で28カ国、約1万1000人の患者を対象に実施した。
 ステロイド単独服用時は28日以内の死亡リスクは25%だったが、IL―6阻害薬併用時は21%に減少。また、人工呼吸器未装着の患者に限ると、その後に装着が必要になるか死亡するリスクは、ステロイドのみ使用時は33%だったが、併用時は26%となった。副作用などは発見されなかったという。治験の結果は、6日付の米国医師会雑誌(JAMA)に掲載された。
 IL―6は、サイトカインと呼ばれる免疫作用に関わるたんぱく質の一種。新型コロナ患者が重症化すると免疫が過剰反応してサイトカインが大量に生成され、さまざまな症状を引き起こす。トシリズマブなどは、IL―6の作用を阻害する効果を持つ。
 WHOのジャネット・ディアズ氏は、ワクチン分配が進まない低所得国の患者に「こうした薬剤が手に届くようにすべきだ」と訴えた。 (C)時事通信社