各省庁が財務省に予算を要求する際のルールとなる概算要求基準が決まったことで、2022年度の予算編成作業が本格化する。社会保障費の増加や新型コロナウイルス対策費の計上で、要求総額は8年連続で100兆円を超える見通し。財政規律の緩みに歯止めがかかるかは不透明だ。
 「昨年のようなことは繰り返さない」。財務省幹部は基準策定に際し、予算要求の正常化に強い意欲を示していた。
 コロナ禍を踏まえ、21年度の概算要求は前年度当初予算と同額を基本とする異例のルールで実施。要求総額は過去最大の105.4兆円に達した。具体的な金額を示さない事項要求も続出し、最終的な予算額は106.6兆円と9年連続で過去最大を更新した。
 22年度の要求基準では、重要分野に予算を優先配分する「特別枠」が2年ぶりに復活し、公共事業などの裁量的経費を1割削減することも盛り込まれた。一方、コロナ関連予算は昨年と同様に事項要求を容認。今後の感染状況が不透明なため、財務省は「どういう予算がどのくらい必要か今は詰め切れていない」(担当者)としており、総額が膨らむリスクもくすぶる。
 また、自民党の下村博文政調会長は5日、記者団に対し、経済対策について「(衆院の)選挙前にはつくりたい」と説明。生活困窮者への1人10万円の給付を検討する考えを示した。21年度補正予算案の編成論が浮上すれば、当初予算を抑制しても財政規律の回復につながらない可能性がある。 (C)時事通信社