【ニューヨーク時事】6月22日投票のニューヨーク市長選の民主党予備選で、米主要メディアは6日、アフリカ系の元警官でブルックリン区長のエリック・アダムズ氏(60)の勝利が確実になったと報じた。同市は民主党支持者が圧倒的に多いため、アダムズ氏が次期市長になる可能性が高い。アダムズ氏は選挙戦で、新型コロナウイルス禍で急速に悪化した市の治安回復を強く訴え、支持を広げた。
 「労働者階級の市民が率いる歴史的かつ多様な協調体制が私たちを勝利に導いた」。米メディアによると、アダムズ氏は6日、勝利宣言した。11月の本選では、共和党候補で自警団「ガーディアン・エンジェルス」創設者のカーティス・スリワ氏(67)と対決する。アダムズ氏が当選すれば、黒人として史上2人目のニューヨーク市長だ。
 民主党予備選は13人が立候補する大混戦になった。当初は昨年の大統領選で民主党候補指名を争った台湾系起業家アンドルー・ヤン氏が知名度を生かしてリード。しかし、新型コロナのワクチン接種率が上昇し、経済活動の規制緩和が進む中、市民の関心が感染抑制や経済再生から治安問題へ移り、アダムズ氏が5月の世論調査ではトップに立った。
 ニューヨーク市では、コロナ禍でアジア系に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)が続発。また、市の1~6月の発砲事件は前年同期比38%増となり、先週末だけで26人が撃たれた。
 米メディアによると、アダムズ氏は15歳の時に兄と共に警察に拘束された際、警察署で白人警官2人から暴行を受けた。これを機に警察を内部から改革しようと警官を志した。警察における人種差別の是正や拳銃対策の強化を訴え、昨年全米に広がった大規模デモで参加者が求めた警察予算削減には否定的だ。
 今年の予備選から、最大で上位5人まで順位付けて選ぶ新方式を採用。アダムズ氏を1位に選んだテレビ局幹部の女性(50)は「市は今重要な時にある。犯罪を抑え、公正で人道的な司法へ制度改革できる強い市長を選べるかで市の未来は決まる」と語った。
 6日発表の暫定結果によると、得票率はアダムズ氏が50.5%、2位のキャスリン・ガルシア前市衛生局長が49.5%。ガルシア氏が本選で当選すれば女性初のニューヨーク市長だったが、ニューヨーク・タイムズ紙によると、ガルシア氏は「ガラスの天井を破れなかった」と敗北を認めた。選挙結果は来週確定する見通し。 (C)時事通信社