東京都に対する4度目の緊急事態宣言発令が8日、決まった。都は今回、百貨店などに休業を要請しない一方、飲食店の酒類提供は再び停止を求めた。酒類が収益の源泉となる居酒屋は「われわれだけがずっと犠牲だ」(ワタミ)と、終わらない苦境に悲鳴を上げる。
 「百貨店や映画館は(営業して)いいのに、お酒だけが原因とされる。根拠を示してほしい」。居酒屋大手ワタミの渡辺美樹会長は8日、記者団に対し憤りを隠さなかった。その一方で「この感染状況では、宣言は受ける」と、要請には従う考えを強調。都内167店舗のうち、現在より34店多い70店舗を休業する方針だ。
 都内でビアレストランなどを運営する中堅チェーンは最近、要請に従う際の協力金の3月分がようやく入金された。今回は国が協力金を先渡しする方針を決めたが、「むしろこれまでの分を早く払ってほしい」(担当者)と切実。これ以上状況が悪化すれば、要請に応じない可能性もあるという。
 百貨店など大型商業施設はこれまで、緊急事態の際は休業を余儀なくされてきたが、今回はそうした要請はない。「まっとうな判断」(都内大手)と評価する声があるものの、「外出自粛で客足が鈍るのは避けられない」(別の大手)と悲観ムードは強い。
 一方、宣言発令に伴い、東京五輪は都内全会場が無観客開催に。スポンサー企業からは、「残念だが仕方がない。できる限りの対応をして応援していきたい」などと諦めに似た声が聞かれた。 (C)時事通信社