動物園がインターネット通販サイト、アマゾンの「ほしい物リスト」を活用し、寄付を募る取り組みを始めている。必要な物を指定して寄付してもらうことで無駄を省き、動物の快適な暮らしにつなげようという取り組み。財政難に新型コロナウイルスによる減収が追い打ちをかける中、全国の園に広がっている。
 動物園では安全面などから使える物資のサイズなどが決まっており、具体的に指定しないと、寄付してもらっても使えないことがある。「ほしい物リスト」を使った寄付では、園側が必要な物をリストに入れて公開し、寄付者が購入して園に配送する。このため必要な物を確実に送ってもらうことができる。
 発端は海外の動物園での同様の取り組み。九十九島動植物園(長崎県佐世保市)は2019年、海外の事例を参考に同リストを通じた寄付制度を始めた。岩岡千香子園長(44)は「限られた予算の中で、購入をちゅうちょしてしまうような物を動物たちに提供できる。今後も続けていきたい」と話す。
 京都市動物園(同市左京区)は6月、ミーアキャットが運動するためのタワーや、テンジクネズミが暑さをしのぐための扇風機など6品目を初めて募集。わずか2時間で4品目が買われ、翌日には全て購入済みとなった。品物はその後、無事に園まで届いた。
 和田晴太郎副園長(53)は「びっくりした。こんなに早く購入されるとは」と驚きを隠さず、「既存のシステムを活用することで、事務的な負担もなくスタートできる。必要とする物を送ってもらえれば無駄がない」と手応えを感じている。
 京都市は財政が危機的状況にあり、園は年間約6000万円掛かる餌代の見直しを求められている。今後は動物の餌などもリストに追加していきたい考えだ。 (C)時事通信社