重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者の多くで長期にわたり症状が持続することが知られているが、自宅療養となった軽症~中等症の若年例も例外ではないことが示された。ノルウェー・University of Bergen/Haukeland University HospitalのBjørn Blomberg氏らは、同国で軽症~中等症COVID-19を発症し自宅療養となった247例を前向きに追跡。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染から半年後も症状が持続していた患者は半数超に上り、16~30歳の若年者でも約5割がなんらかの症状を有していたとNat Med2021年6月23日オンライン版)に発表した。

症状で最多は疲労感30%、集中力低下や記憶障害も

 Blomberg氏らは、同国におけるCOVID-19流行第一波の期間(2020年2月28日~4月4日)に、軽症~中等症COVID-19を発症し自宅療養となった247例(年齢中央値43歳、女性53%)を登録し、6カ月にわたり追跡した。

 その結果、SARS-CoV-2感染後6カ月の時点で、全体の55%がなんらかの持続的な症状を有していた。最も多かったのは疲労感(30%)で、次いで味覚・嗅覚障害(27%)、集中力低下(19%)、記憶障害(18%)、呼吸困難(15%)の順だった()。

表.COVID-19発症6カ月後も残存する症状と年代別での割合

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Nat Med 2021年6月23日オンライン版)

 15歳以下の小児では持続的な症状を有する割合が13%と低かった。16~30歳の若年者では52%になんらかの症状が残存しており、最も多かったのは味覚・嗅覚障害(28%)で、次いで疲労感(21%)、呼吸困難(13%)、集中力低下(13%)、記憶障害(11%)の順だった。

学生の学習の進行妨げる恐れも

 症状の長期持続に関連する因子の解析では、SARS-CoV-2感染から6カ月後も持続する疲労感と慢性肺疾患(喘息、慢性閉塞性肺疾患)の既往歴(調整後リスク比1.14、95%CI 1.03~1.25、P=0.008)、COVID-19発症時の重症度(同1.06、1.02~1.10、P=0.004)、回復期(SARS-CoV-2感染後2カ月)における抗体価の上昇(同1.07、1.02~1.12、P=0.009)が独立した因子として認められた。

 以上を踏まえ、Blomberg氏らは「重症COVID-19入院患者で長期にわたり症状が持続することは知られていたが、軽症~中等症の自宅療養患者でも、感染後6カ月の時点で半数超になんらかの症状が残っていることが判明した。長期的な呼吸困難や記憶障害などのリスクがあり、ワクチン接種をはじめとする感染症対策の重要性が浮き彫りになった」と結論。「自宅療養となった16~30歳の若年者が、感染から半年経過後も集中力低下、記憶障害、呼吸困難、疲労感などのリスクを有するというのは憂慮すべき結果であり、特に学生の場合は、これらの症状が勉強・学習の遂行を妨げる恐れがある」と懸念を示している。

(太田敦子)