立憲民主党の枝野幸男代表が、新型コロナウイルス感染拡大を受けて中断していた全国行脚を再開した。次期衆院選の足場固めが目的で、最初の訪問地は、昨年末の立民への合流劇で分裂した社民党が一定の勢力を保つ大分県。同党の重鎮、村山富市元首相と面会するなど、両党間に残るしこり解消に腐心した。
 「先生の元気なうちにもう1回リベラルな政権をつくる」。枝野氏は11日、村山氏を大分市の自宅に訪ね、次期衆院選で政権交代を目指す決意を語った。枝野氏の初当選時、自社さ政権で首相を務めた政界の大先輩は「頑張れよ」と激励。両党の結束アピールに一役買った。
 社民は当初、党全体で立民への合流を目指した。しかし、歴史ある党の旗を降ろすことへの反対論は根強く、罵声も飛び交う激論の末に組織が割れた経緯がある。
 野党は大分の3選挙区で、いずれも比例復活の現職を抱えており、次期衆院選も与党との接戦が予想される。枝野氏はいち早く現地に足を運ぶことで、共闘態勢の構築を図った。
 ただ、立民の政党支持率は低迷したまま。先の東京都議選でも、枝野氏自らが「自民党に代わる選択肢になれなかった」と総括するなど、政権批判票の受け皿になり得ていないのが実情だ。こうした状況に、党内からは「本当に政権を取る気があるのか」(若手)などと、枝野氏の党運営を疑問視する声が漏れる。
 都議選をめぐってはまた、立民と共産党が行った候補者調整に、支持団体の連合や国民民主党が反発。一方、共産は立民に対し、次期衆院選で「より深い共闘」の実現を迫る構えで、板挟みの枝野氏は野党連携のかじ取りに苦慮しそうだ。
 次期衆院選は枝野氏にとって、旧立民の結党から4年間の成果が問われる戦いでもある。「背伸びに背伸びを重ねてでも必ず政権を取りたい」。枝野氏は11日、大分市の党会合で懸命に訴えた。 (C)時事通信社