西村康稔経済再生担当相は14日の衆院内閣委員会で、酒類提供停止の要請に応じない飲食店の広告について、各媒体に何らかの対応を促すことを検討する考えを示した。野党は、メディアへの圧力につながりかねないとして反発。西村氏は「報道、表現の自由に介入する気はない」と繰り返すが、飲食店への金融機関を通じた働き掛けなどで、政府は相次いで撤回に追い込まれており、野党は引き続き追及する方針だ。
 発端は8日夜に開かれた西村氏の記者会見。配布資料には、酒類提供を停止しない飲食店への対策として、▽金融機関を通じた順守の働き掛け▽酒類販売事業者への取引停止依頼―と併せ▽メディアや広告で扱う際、飲食店の順守状況に留意するよう依頼を検討―が盛り込まれた。
 メディアなどへの依頼については、違反した店舗の広告掲載への配慮を求めるだけではなく、そうした店舗の状況に関する報道に注文を付けようとしているとも受け取れる。14日の衆院内閣委で、野党は「報道するかどうかはマスコミの自由ではないか」と批判した。
 これに対し、西村氏は「どういった対応ができるかできないか、しっかりと考えたい」などと答弁したが、野党の撤回要求に対しては明確には答えなかった。
 政府は、飲食店対策として金融機関と酒類販売事業者への協力依頼については撤回するなど迷走している。政府内からは「違反店が相次ぐ状況を何とかしなければいけないとの気持ちは分かるが、ほとんど思い付きに近い段階の話だ」(関係者)などと、対応のまずさを認める声が漏れている。

 ◇酒提供停止「圧力」3点セット
【金融機関】
 西村康稔経済再生担当相「(酒提供停止に)応じない店について、情報を金融機関と共有し順守の働き掛けを行っていただく」(8日の記者会見で発言、以下同)
 →9日に撤回
【酒類販売事業者】
 西村氏「酒類販売事業者に対し、(酒提供停止に)応じない店との取引を停止するよう依頼、要請を行う」
 →13日に撤回
【メディア広告】
 西村氏「メディアで広告を扱う際、順守状況に留意してもらうよう依頼を検討している」
 →西村氏が14日の衆院内閣委員会で「どういったものができるのか、できないのか考えていきたい」と説明し、撤回せず。 (C)時事通信社